聞こえにくくなってきたり、言葉を聞き取る力が低下してくると、補聴器の有無に関わらずコミュニケーションにおいて様々な問題が発生しやすくなります。そのような場合、ご家族がサポートされることで、ある程度改善できることがあります。
ご家族の方へ
難聴者との快適コミュニケーションのススメ
- 大声で話せば良いわけではありません
- 口を大きく開け、ゆっくりとはっきり
- 身振り手振りも活用
- お顔が見える状態で話をします(後ろからは、まずお声かけして)
1.大声で話せば良いわけではありません
補聴器をご使用中の方へは基本的に大声で話す必要はありません。大きな声で話すことによって、補聴器が大きな音を抑える機能を働かせてしまいます。その結果、声が歪んだり途切れ途切れに聞こえてしまい、言葉が理解できなくなります。
2.口を大きく、ゆっくりはっきり
難聴者との会話で最も大切なのは、お顔の前で口を大きくゆっくりはっきりとお話することです。声の大きさは普段の会話程度の音量か、少し大きめ位で充分コミュニケーションが可能です。
3.身振り手振りも活用
補聴器の使用に関わらず、難聴をお持ちの方には身振り手振りを交えたコミュニケーションが効果的です。難聴に加え、言葉の明瞭度が低下されている方は、耳からの音声情報に加え目からの情報も併せて伝えることで会話がより円滑になります。
4.後ろからはまずお声をかけて
たとえ補聴器を使用していても、耳からの情報だけでコミュニケーションをとることは難聴者にとってハードルの高いものになります。顔が見えない状態で、後ろから話しかける際は、まずお声をかけて、肩をポンポンと叩いてあげて、こちらを向いていただくように配慮すると会話しやすくなります。
補聴器を使用していても困難なケース
最近の補聴器には難聴を補うのに大変便利な機能がたくさんあります。しかし万能ではないため、補聴器を着けても苦手な場面がありますし、よく聞こえた頃のお耳に戻すこともできません。補聴器の良いところや苦手なところを理解した上で「お耳のパートナー」として助け合い、上手にお付き合いしていくことが肝心です。
補聴器を付けても困難なシチュエーション
1.早口
補聴器は早口をゆっくりした口調に変えることが出来ないため、聞こえやすくなっても早口のままで耳に入ります。残念ながら年齢と共に早口が理解しにくくなります。
2.複数人との会話やボソボソした口調
レストランや人混みなどの複数人の話し声が聞こえてくる場面では、会話音の優先順位を付けることが出来ず、ガヤガヤした音がたくさん入ってくるため、特定の人物との会話が困難になることがあります。
また、ボソボソした口調は補聴器を使用していない方(健聴者)でも聞き取りにくく、口元の動きも少なくなりますので、難聴者にとってはなおさら聞き取りが困難になります。
3.騒音下はとっても苦手です
補聴器には周囲の雑音を聞き分けて抑える能力がありますが、聞こえに不自由がない方でも聞き取りにくいような騒音環境下では、補聴器を使用しても改善が望めない場合が多いと言えます。
ご家族の方もぜひ一緒にご来店ください
ご相談の際はぜひご家族も一緒にご来店ください。
お一人でのご来店は、相談のやり取りや説明内容がしっかり聞こえるか、理解できるかなどご本人はご家族が思っている以上に不安なものです。ご家族の皆様で相談されたり、説明を受けることで、家族全員が難聴と補聴器への理解を深めることが出来ます。
聞こえのお悩みをご本人だけで抱えるのではなく、ご家族の方、私達スタッフも含め、全員で協力しあって解決していきましょう。