早口が聞こえにくい理由を解説いたします!
・お孫さんやお子様などの口調が早くて会話に追いつけないことがある
・バラエティー番組やトーク番組の司会が早口だと、内容が頭に入ってこない
最近このように感じたことはありませんか?
思い当たる方は、もしかしたら「早口が聞き取りにくくなっている」かもしれませんね。
今回は「早口が聞き取りにくいメカニズムとその対処法」についてお話いたします。
目次
早口の聞き取りには聴覚の時間分解能が影響
聴覚の時間分解能とは、音の情報を時間的な流れで理解する能力の事です。例えば本のページをパラパラめくるスピードは、聴覚の時間分解能によって判断しています。
時間分解能が低下すると
会話においても、話し言葉の流れるようなリズムを聴覚の時間分解能の働きを使って理解しています。
時間分解能が低下すると、会話スピードに対して言葉の理解が追い付かなくなる現象が起こります。
音の強さは時間とともに変化します。時間とともに変化する音の強さの変化がどの程度区別できるかは
時間分解能力といわれます。時間分解能力の低下は周波数弁別能力と同様に音と音とを区別する能力や語音明瞭度を低下させます。
また内耳における時間分解能力と直接の関連はないものの、感音難聴では早口で話されたときの聞き取りが悪くなります。脳での言葉の聞き取りの時間あたりに処理できる能力には限界があり、処理能力の低下が影響します。
(一般社団法人 日本補聴器販売店協会マニュアル「補聴器販売の手引き」より引用)
早口が聞き取りにくくなる原因
聴力低下によって起こる
聴力低下、とりわけ感音性難聴が進んでくると耳の中(内耳)にある有毛細胞が劣化したり減少する傾向にあります。
有毛細胞は耳から入ってきた音の振動を電気信号に変えて脳に伝える大事な役割があります。これがうまく機能しなくなると言葉の認識がしづらくなります(語音明瞭度の低下)
感音性難聴が進むことによって時間分解能だけでなく言葉を理解するための様々な機能が低下します。
そのため早口で話されると、ことさら理解しにくい現象が発生します。
加齢によって低下する
聴力低下の問題以外でも、加齢による脳の中枢機能の衰えにより時間分解能が低下し早口が聞き取りにくくなることがあります。ですが、加齢に伴う聴力低下によって引き起こされることが多いです。
有毛細胞が損傷してしまうと、内耳から脳にいくはずの音の情報の多くが経路の途中で欠落してしまいます。音の情報が減ってしまうので、当然、耳に入ってきた言葉の内容を認識するのに時間がかかるようになります。時間分解能の低下といわれる症状です。加齢による脳の機能の低下が原因の場合もありますが、多くは内耳の機能の低下によって起こる現象です。バラエティ番組などで、若いタレントさんの早口の話を聞き取れず、家族が笑っているのに一緒に盛り上がれないなどは、時間分解能の低下の典型的な事例です。
早口を聞き取れるようにできる?
それでは早口を聞き取る力を、向上させることはできるのでしょうか?
年齢と共に低下する能力の向上は難しい
一般的に、高齢になるにつれ高い音から次第に聞き取りくくなりますが、それだけでなく脳による信号処理機能が低下していく傾向にあります。
年齢によって引き起こされる機能低下を回復させることは難しく、「ゆっくり、はっきり、簡潔に」話すことがコミュニケーションを円滑にするうえでとても大切になります。
難聴が引き起こしている場合は多少改善する場合も
聴力低下がある場合、そもそも言葉の聞き取りが難しくなっているケースが多々あります。
補聴器を使用することで、まずは正しい音量で会話が聞こえるようになった結果、言葉が聞き取りやすくなることは充分に期待できます。
補聴器には時間分解能の低下をほんの少し補う効果はありますが、それでも高齢の方には「ゆっくり、はっきり、簡潔に」お話しすることでより会話が楽しくできます。
補聴器は時間分解能の低下をほんの少しだけ補う事ができる
(Harvey Dillon著:補聴器ハンドブックより引用)
まとめ
早口での話し言葉の聞き取りは、年齢と共に難しくなってしまいます。
聴力低下がみられていた場合、早口だけでなく言葉の聞き取り自体が不自由になっている可能性があります。
聞き取りにくさを感じたらまずはお気軽にご相談下さいませ。
お問い合わせ・来店のご予約はお近くの店舗までお電話を
補聴器をご検討の方・補聴器でお悩みの方、どうぞ安心してお任せください。
当店では他店様でご購入の補聴器も喜んで調整・クリーニングを承ります。
また当店はご予約のお客さまを優先させていただいております。
お待たせしないために、ご来店の前にご都合の良い日時のご予約をお勧めいたします。