「補聴器が耳に合わない」と感じる原因と対策
補聴器を使用している方、特に使い始めて日が浅い方の中で、「何となく耳に合わない」「違和感がある」と感じることはありませんか?
そのまま放置すると、だんだん補聴器の使用にストレスを感じるようになり、補聴器の使用をやめてしまう原因にもなりかねません。
しかし、多くの問題は適切な調整や処置で解決できます。
本記事では、補聴器が耳に合わないと感じる主な原因と、その対策方法をご紹介します。
目次
「補聴器が耳に合わない」と感じる原因と対策
1.耳に痛みや圧迫感がある
原因
①補聴器の形状やサイズが耳に合っていない
②耳栓のサイズが大きい
③長時間装着による耳への負担

対策
①補聴器専門店でフィッティング調整を受ける
耳穴型補聴器やイヤモールド(オーダーメイドの耳栓)のサイズが合わない場合、店舗で研磨作業を行うことで痛みや圧迫感が改善する場合があります。
(ヒヤリングアートでは全店機材を取り揃えております)
②耳栓を小さめのものに交換する
既成タイプの耳栓でも、サイズ調整を行うことで圧迫感の減少につながります。
ただし、規制耳栓を小さくしすぎると脱落の危険が増しますので要注意です。
③シリコン製など柔らかい素材のイヤモールドを試す
長時間装用で耳への負担がかかる場合もあります(皮膚のデリケートな方・小さいお子様など)。
シリコン製やソフト素材のイヤモールドを使用することで装用感が楽になることが多いですが、柔らかい素材ほど劣化しやすい傾向にあり、ハード素材のイヤモールドでサイズを突き詰めていくか判断が分かれるところです。
2.装着すると耳がこもった感じがする(閉塞感)
原因
①イヤモールドが耳を塞ぎすぎている
②補聴器の通気口(ベント)が適切でない
③自分の声が響く「オクルージョン効果」が発生している

対策
①②イヤモールドおよび補聴器に通気口(ベント)を追加してもらう
イヤモールドやオーダーメイド耳穴補聴器におけるベントの影響はとても大きいです。
こもった感覚や閉塞感の減衰から音響的な変化を目的としてベントを開けることもあり、専門的な知識と技術を要します。
お店で対応できるベント加工もあればメーカーに依頼する場合もあり、内容によっては有料になる場合もあります。
(ヒヤリングアート独自のベント仕様:SSベント)
③補聴器専門店でオクルージョン効果を軽減する調整を依頼する
一口に「オクルージョン」と言っても原因は様々で対策方法もまちまちです。
補聴器に通気口(ベント)を設けることもオクルージョンの軽減に一定の効果があります。
音響的には低音域の増幅の強弱と自身による低音域の感じ方によって調整方法をアレンジします。
オクルージョンに関しては補聴器の状態と使用者本人の感じ方を細かく聞き取ってからの調整が重要です。
3.補聴器がすぐに外れる、ズレる
原因
①補聴器やイヤモールドのサイズが合っていない
②装着方法が正しくない
③耳の形状や皮膚の状態による影響

対策
①専門店で耳型を取り直し、フィットするイヤモールドを作成する
補聴器本体やイヤモールドが緩い場合、補聴器が抜ける・ズレてくるなどの症状が発生しやすいです。
ヒヤリングアートでは前述した設備を使って補聴器本体及びイヤモールドの肉盛りを行っております。
肉盛り・研磨によってある程度の改善が見込めます。
それでも改善できない場合は、耳型を採取し直し、新たに外装部分(シェル)やイヤモールドを作成します(購入後一定期間を過ぎると有料になります)。
②補聴器の装着方法を見直し、正しく装着する練習をする
特に補聴器を使用して間もない場合、正しい装用方法を身につけないと補聴器が外れたり落下したりする危険があります。
補聴器専門店にて装用の説明を受けるか、ご家族様に見てもらいながら耳に正しく入るよう練習する必要があります。
自己流の装着方法になってしまい、かえって入れづらくなってしまっているケースも稀にありますので、専門店で正しい装着方法のレクチャーを受けることが大切です。
③カナルロックやマットシェルなど、本体に特殊加工を施す
耳の形状や顎がよく動く方など、人によっては耳穴型補聴器が抜けやすくなるケースもあります。
(カナルロックの一例)
上記の写真のように、補聴器が耳から抜けにくいストッパー(カナルロック)を取り付けることで、補聴器が耳から抜けるリスクを減らすことができます。
※カナルロックについての詳しいブログ記事
また耳の皮膚が柔らかい人は、耳に入れても巻き込んだ皮膚によって徐々に出てくることがあります。
補聴器本体やイヤモールドをマット仕上げ(ツヤ無し)にすることで抵抗なく耳の奥まで補聴器を挿入することが容易になります。
4.音が大きすぎたり、小さすぎたりする
原因
①音量設定が自分に合っていない
②補聴器の調整が適切でない
③聴力の変化により、現在の設定が合わなくなっている

対策
①補聴器専門店で音量や音質の再調整を依頼する
補聴器は聴力に合わせて適切な調整を行うことが大前提の機械です。
聴力に合っていない補聴器は、聞こえにくさやうるささによってストレスを感じるばかりか、大きすぎる音によって聴力に悪影響を与える事にもなりかねません(音響外傷)
特に通信販売や他人の補聴器を譲ってもらって使用されている方は、早めに補聴器専門店で調整を依頼されることをお勧めいたします。
②自動調整機能がある場合は活用する
補聴器が聴力に合った調整がなされていても時にはうるさく感じたり聞こえづらく感じることもあります。
周囲の雑音が大きい場合など、環境に応じて雑音抑制や子音の強調機能を作動させることで、静かな場所以外でもきこえの快適性を向上することが可能です。
※現在最新のAI機能を搭載したフォナック社:インフィニオの紹介ページ
③定期的に聴力検査を受け、補聴器の設定を見直す
補聴器専門店では年に1回の定期的な聴力測定をお勧めしています。
聴力の変化によって使用中の補聴器のきこえ具合が快適でなくなることがありますので、再調整を行うことで常に最適なきこえの状態を維持することができます。
まとめ:違和感があるときは、補聴器専門店へ相談を!
補聴器が耳に合わないと感じる場合、多くの原因は適切な音質調整や補聴器本体・イヤモールドの形状修正で改善できます。自己判断で使用をやめるのではなく、まずは補聴器専門店に相談してみましょう。
補聴器を快適に使い続けるためにも、定期的なメンテナンスや調整を大切にしましょう!
お問い合わせ・来店のご予約はお近くの店舗までお電話を
補聴器をご検討の方・補聴器でお悩みの方、どうぞ安心してお任せください。
当店では他店様でご購入の補聴器も喜んで調整・クリーニングを承ります。
また当店はご予約のお客さまを優先させていただいております。
お待たせしないために、ご来店の前にご都合の良い日時のご予約をお勧めいたします。