知っていましたか?耳垢と耳掃除について
こんにちは!池田補聴器専門店の十河です。
皆さんは普段、耳掃除をどのようにしていますか?綿棒でゴシゴシしたり、耳かきで耳の奥を掻いたりしていませんか?
実は耳の掃除には、基本的に「何もしない」という方法が一番良いのです!意外かもしれませんが、耳の中は本来、自分で清潔を保つ力を持っているのです。
耳垢と耳掃除
耳垢の役割
では、耳垢について少しお話ししましょう。耳垢は、古くなった皮膚や耳の中の腺から出る分泌物が混ざり合ってできるものです。耳垢は不要なものと思われがちですが、実は以下のような大切な役割を果たしています。
・異物除去作用:耳垢は、外から入ってきたほこりや雑菌を吸着し、自然に外へ排出されます。
・潤滑作用:耳垢腺から出る脂質により、外耳道をしっとりと保ち、乾燥を防ぎます。
・感染防御作用:リゾチームという酵素やIgAといった成分が、細菌や真菌の増殖を抑え、感染を防ぎます。
このように、耳垢は耳を守るためにとても重要な働きをしています。だからこそ、基本的に耳掃除は必要ないのです。
正しい耳掃除の仕方
耳掃除をしない方が良い理由がわかっていただけたでしょうか?日常生活の中では、入浴後に耳を軽くタオルで拭くだけで十分です。それでも「耳掃除をしたい」と感じる方は、2週間から1か月に1回くらいの頻度で、耳の入り口から見える1センチ以内の範囲だけを綿棒で優しく拭き取るようにしましょう。
注意が必要なのは、綿棒や耳かきで奥までゴシゴシと掃除しないことです。そうすると、耳垢を奥に押し込んでしまい耳垢栓塞という状態になったり、耳の皮膚を傷つけて外耳炎を引き起こす危険性があります。
もし耳垢がたまりやすかったり、奥にたまった耳垢が気になったりする場合は、耳鼻咽喉科で専門の医師に相談して取ってもらうことをおすすめします。また、耳のつまり感や聞こえにくさの原因が耳垢ではなく、突発性難聴などの病気であることもありますので、「何かおかしいな」と感じたら、早めに専門医を受診しましょう。忙しい方も、少なくとも1年に1度は耳鼻咽喉科を受診することが推奨されています。
まとめ
耳垢は、耳の健康を守るために必要な存在です。正しい耳掃除について知り、健康な耳を維持しましょう!
・耳掃除は基本的に不要です。
・気になる場合は、2週間から1ヶ月に1回程度、耳の入り口から見える浅い範囲だけを綿棒で優しく拭き取るようにしましょう。
・耳に異常を感じたら、自己判断せずに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
池田補聴器専門店のブログでは、これからも耳や聴こえに関する情報をお届けしていきますのでぜひお楽しみに!
参考資料
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会:
https://www.jibika.or.jp/modules/disease_kids/index.php?content_id=2
https://www.jibika.or.jp/owned/hwel/news/012/
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 静岡県地方部会